ヘアサイクル(毛周期)と薄毛の関係とは?

「ヘアサイクル」という言葉を耳にしたことがあっても、具体的に薄毛とどう関係があるのかまでは知らない方が多いのではないでしょうか。

正常なヘアサイクルの仕組みを理解し、ヘアサイクルを崩す原因にはどんなものがあるのかをご紹介します。女性特有の薄毛とヘアサイクルの関係について知ることで、あなたのその薄毛を改善させる糸口を見つけましょう。

また何気ない日常生活の中に薄毛の原因は潜んでいることを知りましょう。

ヘアサイクルを知って薄毛を予防しよう

まずは髪の毛の一生であるヘアサイクル(毛周期)についてご紹介します。女性のヘアサイクルは男性が3~5年であるのに対し、5~6年と長めです。つまり髪の毛が生えてきたら、その髪の毛は5~6年すると新しい髪の毛に抜け替わっていくのです。

ただしヘアサイクルには個人差があり、体調や年齢、食事からとる栄養、ヘアケア方法によって大きく差が出てきます。では基本的なヘアサイクルついてご紹介します。

3つのヘアサイクル

髪の毛が生えてから抜けるまでの5~6年の毛周期には3つのヘアサイクルが存在します。

1.成長期

名前の通り髪がどんどん伸び、太さが増していく時期です。この時期は、栄養分や血行が増えることで、髪の毛が生まれる元となる毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返している段階です。この時期は1カ月に1センチ程度、髪の毛が伸びていきます。

ヘアサイクルの内、成長期は長い人で2~5年あります。基本的に現在生えている髪の毛の80~90%が成長期の髪の毛です。

2.退行期

成長期の次に訪れるのが退行期です。髪が抜け落ちる準備を始める為、毛球部分が縮小していきます。毛球部分とは髪の毛母細胞などがある髪の毛の根っこにあたる場所を指します。またこの時期、髪の毛の黒い色を作るメラノサイトの働きも、毛母細胞の細胞分裂も低下します。その為、白髪ができやすい時期でもあります。

退行期は成長期ほど長くなく、2~3週間しかありません。髪全体における退行期にあたる髪の毛の割合は1%程度です。

3.休止期

退行期が終わると、次に 新しい髪が生える為の準備期間となる休止期に入ります。休止期には毛母細胞の細胞分裂は完全にストップし、髪の毛は成長しません。そして次の髪の毛に場所を譲る為に、頭皮側に移動をはじめ、やがて抜け落ちるのです。髪の毛をかきあげたり、首を回したときにハラリと落ちる髪の毛が休止期の髪の毛に当たります。

休止期の期間は2~4カ月程度であり、髪全体における休止期の髪は10~15%程度です。

これらの3つの周期が正常に機能していることが、健康なハリやコシ、そして艶のある髪の毛には必要です。

ヘアサイクルの乱れが薄毛に繋がる

ヘアサイクルには個人差があるのと同時に、年齢や生活環境によって変化していきます。女性は30歳を過ぎたあたりから髪の毛の伸びるスピードが遅くなります。また、成長期の期間も年々短くなる傾向にあります。

薄毛予備軍は成長期が短い

成長期が短くなるのは、加齢などの年齢的なものだけが原因ではありません。

3つのヘアサイクルのところでも少しお話ししましたが、女性の髪の毛には5~6年の成長期があります。そして成長期の髪は髪全体の80~90%です。

それにも関わらず髪の毛のボリュームが無くなってきた、地肌が目立つということは成長期が短くなっている可能性が大きいのです。また、髪の毛自体は生えてきたものの太くなりきらず成長が止まっている軟毛化も考えられます。軟毛化した髪の毛が増えると、髪の毛を生み出す毛母細胞のある毛根部が委縮し、やがては発毛しなくなってしまいます。

つまり成長期が短くなっている方は薄毛予備軍だといえるのです。

成長期が短いと髪のボリュームが減る

ご自身の髪の毛の成長期が本当に短くなっているのかどうかということを自分で確かめることはほぼ不可能です。

抜けた髪の毛の毛根の膨らみを見ることで、成長期途中で抜けているものか、休止期を迎えて抜けたものかの判断はできます。休止期を迎えて抜けた毛根は細く膨らみがありません。しかしこれだけでは判断しかねる部分があります。

成長期が短くなっているサインとして最も分かりやすいのは髪のボリュームです。見た目のボリュームもそうですし、髪の毛をかきあげたときの手に感じるボリューム感でも感じられますね。

男性の場合は、おでこや頭頂部など部分的に薄毛がすすみ、成長期が短くなっていることが分かりますが、女性の場合は特定な部位だけでなく全体的に薄くなり、ボリュームダウンするのです。

これは成長期が短くなることで、髪が本来踏むべき「太くなる」プロセスが抜けているからです。髪の毛が生えてきて伸びてはきたものの、そこから栄養を受けて太いしっかりとした髪の毛になる過程を飛ばして、抜け落ちてしまうのです。

そこで髪の毛の本数自体は以前と変わらないにもかかわらず、太さがないのでボリュームがないと感じるわけです。

ヘアサイクルの乱れは抜け毛の数の変化で分かる

ヘアサイクルが乱れていることは抜け毛の数の変化でも判断できます。薄毛を気にしているととにかく抜け毛が気になってしまうものです。

私たちの髪の毛は平均すると10万本程度生えています。そのうちヘアサイクルが正常であれば、1日50~100本程度の休止期の髪の毛は自然に抜け落ちます。この程度の抜け毛は生理現象として問題ありません。

ただし、抜け毛が1日200本を超えるとなるとヘアサイクルの乱れが濃厚になります。抜け毛を実際数えるわけではないので、本数で判断するのは確かに難しいでしょう。しかし朝起きたとき枕についている髪の毛やシャンプー時に手に絡みつく髪の毛の量である程度判断できます。

また抜けた髪の毛が短く細い場合は、成長期が十分でないことが考えられヘアサイクルの乱れの可能性が高くなります。

ヘアサイクルの乱れと女性ホルモン

ヘアサイクルの乱れは、エストロゲン・プロゲステロンという女性ホルモンとも密接な関係があります。

ヘアサイクルは女性ホルモンのバランスが大事

女性が男性に比べて薄毛が少なく、局部的な脱毛が少ないのは女性ホルモンのおかげです。

特に卵胞ホルモンであるエストロゲンは毛髪を成長させる働きを持っている為、成長期の維持に欠かせません。

しかし、女性ホルモンの分泌のピークは25才ともいわれ30代にもなると女性ホルモンは減少を始めます。また40代になると一気に分泌量が減ってしまうのです。

女性ホルモンは出産にも大きな影響を受けますが、非常にデリケートである為、過度なダイエットやストレスでもバランスが崩れます。

産後のホルモンバランスの崩れと薄毛

20代はまだまだ女性ホルモンの分泌が活発な時期ではありますが、産後は大きくホルモンバランスが崩れます。その為、産後に抜け毛を経験する女性も非常に多いのです。

妊娠中の身体はエストロゲンに加えてプロゲステロンの2つの女性ホルモンの分泌量が急激に増えます。これはお腹の中の赤ちゃんを守り妊娠を維持するための現象です。つまり、出産をしてしまうと、増えていた女性ホルモンの分泌は正常に戻っていきます。

エストロゲンは髪の成長期を維持する働きがある為、妊娠時期は抜け毛が非常に少なくなります。しかし、産後エストロゲンが正常に戻ると、それまで抜けていなかった髪の毛が一気に抜け始めるので一時的に髪の毛が抜けてくるのです。

また、産後は慣れない子育てや夜中の授乳などで身体にも精神的にもストレスがかかることもホルモンバランスを狂わせます。

更年期障害によるストレスが薄毛を生む

女性の抜け毛が増え始めるもう1つの時期は更年期がはじまる40代です。女性ホルモンが減少することに加えて、男性ホルモンの働きが優位に立ち、毛根細胞に影響を与えます。

また更年期障害による身体の不調などによるストレス、精神的不安などが影響し自律神経のバランスにも崩れが生じます。自律神経の緊張が顕著になることで、血行不良がおこり毛母細胞に十分な栄養分が届けられなくなると、細胞分裂にも支障をきたします。その結果、髪は艶がなく細いものになってしまうのです。

ヘアサイクルを乱れさせ薄毛を生む原因

ヘアサイクルを乱れさせることで薄毛を生んでしまう原因は私たちの日常生活の中にも潜んでいます。

過度なダイエットは髪の栄養不足を生む

1つ目は過度なダイエットです。女性は太っていることを気にしてカロリーを気にしたり、極端なダイエットをしてしまいます。特に、年齢があがってくると基礎代謝が落ちる為、痩せにくくなり、無理なダイエットに手を出してしまいがちです。

しかし、ヘアサイクルを正常に行わせるには、髪の毛の成長期にいかに栄養を届けてやるかという事が重要となります。ただし、私たちが食べ物からとる栄養は身体にとっての優先順位が高いのものから配布されます。生命にかかわる内臓器官や脳、筋肉などに栄養が行き渡った残りが髪の毛に届けられるのです。

その為、ダイエットをしていると少ない栄養素しか入ってこないので、髪に送られる栄養までは確保できなくなるのです。

そこで、極端なダイエットはお勧めできません。食べる量を減らすということよりもバランスよく栄養を摂取することに意識をおくべきでしょう。

紫外線ダメージがヘアサイクルを狂わせる

ヘアサイクルを狂わせる原因2つ目は、紫外線によるダメージです。お肌は日焼けをしないようにと気を遣っていても、髪の毛にはそこまで気を遣っていない方も多いかもしれません。

しかし、紫外線は髪の毛だけでなく頭皮の中にまで入り込みます。そして髪を作り出す器官である毛母細胞がダメージを受けてしまうと、成長期が短縮することはもちろん、頭皮の乾燥も引き起こします。頭皮に十分な水分がないと、髪の毛の成長にも大きな影響を与えてしまいます。

そこで、紫外線からお肌だけでなく頭皮と髪の毛を守る日傘や防止の着用は欠かせません。

睡眠不足によるヘアサイクルの乱れ

ヘアサイクルの乱れを生む3つ目の原因は睡眠不足です。髪の毛は眠っている間に成長します。また、眠っている間にお昼間に受けた細胞のダメージも修復されていくのです。

しかし、夜更かしをして眠る時間が遅くなるとお肌のゴールデンタイムと言われる成長ホルモンが分泌されるヘアサイクルに大切な時間帯を逃してしまいます。

ヘアサイクルの基本はお肌、つまり頭皮の新陳代謝にも関係しています。古い細胞と新しい細胞の入れ替わりがスムーズでないと、ヘアサイクルも乱れがちになってしまいます。

そこで、夜22時から2時までの間には必ず布団に入り、成長ホルモンの働きを髪に与えるようにしましょう。

まとめ

ヘアサイクルと薄毛の関係についてご紹介していきました。

1本の髪の毛のヘアサイクルは非常に長いですが、それを維持するには日頃から自分の髪の毛の状態を意識しておく必要があります。その上で、ヘアサイクルを乱れさせてしまう生活習慣を見直すことで薄毛対策はもちろん、ボリュームのある美髪を維持できるのです。